マイナス金利

今回の記事の内容は以下になります。

〇目的
〇導入前後の日銀の当座預金に対する金利
〇効果
〇まとめ

マイナス金利の目的はデフレからの脱却です。
経済成長させてデフレを解消したい。
実施後の予測は以下です。
金融機関は企業への融資を行う際の金利収入が減少するため、金利収入の減少を融資の拡大によって補おうとする。
企業は調達した資金で投資や雇用を行う。
ここが拡大するので社会全体が活発になります。
為替には円安圧力がかかり、株価は上がる。
これがマイナス金利の目指す方向です。

さてマイナス金利を導入する以前は、日銀の当座預金に対する金利はどうだったのでしょうか。

2008年 0.25% リーマンショック
2010年 0.1% 金利引き下げ
2016年 -0.1% マイナス金利開始
2024年  ?  マイナス金利撤廃?

金融危機の時は保護的な数字で民間の金融機関を守って、それが落ち着いて景気の拡大時になると、マイナス金利に切り替え。
そして金融緩和が役目を果たして終り頃になると、まずはマイナス金利を撤廃する。
シンプルですね。

マイナス金利の効果

まずはこちらをご覧ください。
日銀のホームページからのデータです。
総貸出平残(銀行・信金計)というのですが、融資の額に相当する数字です。
一か月ごとの折れ線グラフにしました。
単位は兆円。

赤矢印がマイナス金利導入の月です。
これですとマイナス金利は金融機関に融資を促しているとは言えませんね。
常と変わらない動きです。
右のほうの2020年には融資が急拡大した痕跡が見えますが、これはたぶんコロナの影響。

次はマイナス金利導入直後の株価と為替の動きを見ます。
株価や為替はマーケット全体の評価といえます。
マイナス金利と関係する指標ですし、株価や為替は銀行の融資よりはるかに敏感です。
なのでここに影響を与えると、それなりの瞬間的な動きを見せるはず。
以下のチャートをご覧ください。

ドル円のチャート。

黒矢印がマイナス金利導入時。
反応して円安に振れてます。



導入直後ドル円は円安に振れ、日経平均は価格が上昇してます。
でもその動きはすぐに静まり元の流れに帰ってしまう。
動きは小さく、持続性もない。

ようするに効いてないのですね。
理由はおそらく規模の問題と思われます。
マイナス金利の仕組みは狙った方向に経済が動くようになっているはず。
ただ量的に足りないだけ。


ここからは推測ですが、当時日銀には色々批判も出てました。
国債が枯渇するとか国の借金とか週刊誌に書かれてました。
そういうこともあるし異次元の金融緩和だけではなく、頑張ってる姿も見せたい。

なにか目新しいものが欲しい時だった。
でも金融緩和自体はうまく行ってるし、やり過ぎておかしくなるのは嫌。
結果としてマイナス金利は小さめにしときましょう、になった。

全体的に眺めるとそういう感じがします。

 

最後に不確実な予測をしたいと思います。
マイナス金利導入直後のマーケットの反応は上に示した通りです。
撤廃時は逆の反応を示す可能性があると思われます。

新NISA

メリットは非課税です。例えば新NISAから得た配当金が一万円あったとします。通常ですと税金を差し引かれて手取りは約八千円ですが、新NISAなら一万円。この配当を再投資すると、通常は100円の株を80株買えますが、新NISAの配当なら100株買えます。これを毎年繰り返すと福利効果が出て、その差は大きくなります。

新NISA口座の株式や投資信託は無制限に売却できますが、その分は翌年以降に再利用できる非課税投資枠から減算されます。年間の非課税投資枠を超えて売却した場合は、超えた部分が課税対象になります。つまり非課税を望むなら、売却は年間360万円までで、何か急にお金が必要になったような場合に、この枠を超えてしまうと新NISAは非課税の効力を失くします。一般的な株式投資に比べると、新NISAは非課税のかわりに取引の自由度が制限されています。ですが株式投資は買った株が値下がりすることは珍しくなく、元々危険な部分もあります。長期投資ならそのリスクをかなり軽減できます。日銀も株を買うし、できるだけのことはするので安全な投資をしましょうね、という国の親心を感じます。

さて、外国には新NISAのような制度はあるのでしょうか?はい、あります。アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、シンガポールなどです。いずれの国の制度も個人の資産形成を支援するために、非課税で投資を行うことができる制度です。市場を利用しやすくして国民を富ませるのが狙いでしょうか。なお、中央銀行が株式やETFを購入することも各国ですでに始まっており、欧州中央銀行は2015年にETFの購入を、アメリ連邦準備制度理事会は2020年から株式の購入を開始し、それぞれ3兆ユーロ、1兆ドルの資産を保有しています。市場に資金を供給する量的緩和政策で、株価を押し上げる効果があり、景気を良くすると考えられています。これの発案者はアメリカ経済学者のベン・バーナンキです。「景気が悪ければヘリコプターからお金をばら撒けばいい」という彼の理論は有名で、ヘリコプターベンの異名をお持ちです。中央銀行が金融資産を買い入れるという行動は社会全体が均等にその恩恵を受けるわけではありません。株を買う資金がない人々もいるからです。その点は彼の理論と少し違いますが、新NISAの仕組みは現在の世界の流れといえます。